小笠原諸島は世界遺産になれるか
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世界遺産の概要と、今後の課題について、まとめてみました。(2004年編集)
●小笠原諸島、世界遺産候補地に残る
平成15年5月26日、世界自然遺産候補地に関する検討会が開かれ、、「知床」「小笠原諸島」「琉球諸島」の3地域が、 それぞれ課題があり、すべてを直ちに世界遺産候補地として推薦できる状況にあるわけではないという条件付きで、
世界自然遺産の登録基準に合致する可能性が高い地域として選定された。
●世界遺産登録までのプロセス
各国が推薦する候補の中からどの候補を世界遺産リストに登録するかは、年に1回開催される「世界遺産委員会」で決定されます。
同委員会では、登録する文化財や自然環境がすぐれた普遍的価値をもつことを証明するために、明確で詳細な基準を設けています。
それぞれの国内の世界遺産候補地を世界遺産委員会に推薦します。
世界遺産委員会より文化遺産はICOMOS(国際記念物遺跡会議)へ、自然遺産はIUCN (国際自然保護連合)へと、候補地の評価調査を依頼します。
毎年一回開催される世界遺産委員会で、ICOMOS、IUCN、およびICCROMを交えて候補地を審査。
世界遺産リストへの登録を決定します。
登録にあたって、いくつかの登録基準(クライテリア)が設けられています。この1つ以上を満たしていることが、登録地の条件となります。
IUCN(国際自然保護連合) ユネスコの諮問機関。
1948年にユネスコやフランス政府、スイス自然保護連盟などの呼びかけで、各国政府、民間の自然保護団体が参加して発足した自然環境保全に関する非政府国際機関。
自然遺産の評価、調査の面で世界遺産委員会に協力している。
●世界遺産の登録基準(自然遺産)
(i)生命進化の記録、地形形成において進行しつつある重要な地質学的過程、
あるいは重要な地形学的、あるいは自然地理学的特徴を含む、地球の歴史の主要な
段階を代表する顕著な例であること。
(ii)陸上、淡水域、沿岸・海洋生態系、動・植物群集の進化や発展において、
進行しつつある重要な生態学的・生物学的過程を代表する顕著な例であること。
(iii)ひときわ優れた自然美および美的要素をもった自然現象、あるいは地域を含むこと。
(iv)学術上、あるいは保全上の観点から見て、顕著で普遍的な価値をもつ、
絶滅のおそれのある種を含む、野生状態における生物の多様性の保全にとって、
最も重要な自然の生息・生育地を含むこと。
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http://www.env.go.jp/info/kaiken/h15/0527.html
環境省記者会見大臣発言要旨(平成15年5月27日)
それから、三月から林野庁、環境省で検討してまいりました、世界自然遺産候補地に関する検討会の最終回が昨日開催されまして、 学術的見地から現時点で要件を満たし得る地域といたしまして、知床、小笠原諸島、琉球諸島の3地域が選定されたわけであります。
これら3地域につきましても、今後様々な条件整備をしなければならない残された課題もございますので、 今、直ちに世界自然遺産として推薦できるという状況にはないわけでありますけれども、
今後、関係省庁、関係地方自治体ともよく調整をいたしまして、保護管理措置の検討などを行って、その中で条件が整った地域については、 その後に、世界自然遺産候補地としての推薦に向けて、必要な手続きを進めていきたいと思っております。
また、今回の検討は、あくまで世界自然遺産のものさしでそれに合わせて検討をしたということでありますので、 3地区以外の詳細に検討した地区、地域、これをはじめといたしまして、その他にも我が国には、大変豊かな自然、
世界に誇りうる自然地域が多数存在をするということが改めて浮き彫りにされましたものですから、 これを機に今後とも優れた自然遺産を有する地域の保全、管理の努力を進めてまいりたいと、そのように思っているところでございます。私からは、以上です。
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世界自然遺産候補地に関する検討会 第3回議事録より抜粋
http://www.env.go.jp/nature/isan/kento/index.html
2003 年4 月22 日(火)
第3回世界自然遺産候補地に関する検討会
○奥田(環境省)
事務局の環境省の奥田と申します。
座ってご説明させていただきいと思います。
それでは、詳細検討地域について、事務局の方で用意した資料、これは検討委員の先生方のご意見も伺いながら整理をさせていただいたものでございますけれども、 これについて簡単にご説明申し上げたいと思います
小笠原につきましては、いわゆる大洋島としての独特の生態系の評価がされるかと思います。
トカラ・奄美・琉球列島は大陸から分かれた列島弧としての独特な生態系が評価されるかと思います。比較対照としては、それぞれ離島ということで、 ] 両地域相互の比較が必要かと思いますけれども、それプラス、海外ではガラパゴス諸島ですとか、サンゴ礁の遺産地域であるフィリピンにございますトゥバタハ岩礁、
こういったところが対照地域として挙げられるかと思います。
○上野委員
質問なのですけれども、今のA番とC番との関係をもう一遍詳しくおっしゃってくださいますか。
○吉田委員
A番が生態系の基準、C番が生物多様性の基準です。
どちらかというとC番の方がわかりやすくて、ここで出ている候補地でいきますと、大洋島でほかとつながったことのない小笠原諸島とか、 それぞれの島で独自の進化を遂げた琉球諸島とか、そういったものは明らかにこのC番に合致するというふうに言えるのではないかと思います。
Aの方はそれぞれのバイオームの代表的な生態系です。
熱帯雨林からツンドラまでの陸上及び海中の生態系の代表選手です。
この議論の中で、Udvardy のカテゴリーに沿って議論しなくてはいけないのは、このAに合致する部分です。
@とかCに合致するものは、このUdvardy の分類に関係なく、@だけで大丈夫だからとか、Cだけで大丈夫だからという形で選んでもいいのではないかと思います。
○座長
それでは、次のページへ進ませていただいてよろしいでしょうか。
個 別に見ていったらいいと思いますけれども、小笠原について、どなたからでもコメントがいただけたらと思いますが。
○上野委員
小笠原は固有種がものすごく多いというのが最大のメリットだと思うのですけれども、逆にそのほとんどすべてが絶滅に瀕しているというのが 大変なマイナス点だと思います。
だから、この前、環境、農水両方の方々とお話ししたときにも言いましたが、まず移入種を絶滅することから始めないと、 ここは出しても現状では難しいんではないかというのが私の感じです。
こ こには全然出てこないのですけれども、鳥は固有種はたった1 種しか残っていないですね。
あとは全部滅びてしまった。獣はもともといませんから、コウモリぐらいですから大したことはないのですが、それ以外のマキガイとか昆虫がほとんど全部固有です。
にもかかわらず、それがほとんど全部滅びかけている。
非常に悪い事情なので、今、固有性の高さを唯一の材料にして申請するのは大変に難しいのではないか。
ただ、これが十分に保全された状態であれば、ガラパゴスとか、ああいう世界的に有名な場所に十分匹敵するぐらいの内容を持っているところだと思います。
それは動物も植物も同じだと思います。
○吉田委員
小笠原は動物相、植物相からいって、大洋島でほかとつながっていないわけですから、非常に固有種が多いということで、 これは推薦の価値が十分あるのではないかと思います。
先ほど上野先生からおっしゃった点については、まさにそのとおりで、ガラパゴス諸島も国立公園にして、 そのプログラムの中でヤギの駆除だとかをやっていますけれども、そういった意味で、世界遺産にするならそれなりのプログラム、
管理計画をきちっとつくって、残念ながら環境省のレン
ジャーもいないわけですけれども、そういった体制も整えるというような管理計画を見せていけば、 そういう問題にきちっと対処しているという評価はされるのではないかと思います。
○座長 土屋委員、琉球と比べて何かご発言ございますか。
○委員 大変極端な話をしますが、小笠原と琉球をまとめるというようなアイデアは出てこないかと前々から思っていました。
というのは、大洋島と陸橋でつながった島が近くにあるというのは日本の大きな特徴でもあろうかと思いますので、 全く無理ならだめですけれども、 そういうことによってマイナス面を補うということは可能ではないかと思っていました。
○大澤委員
固有種が多いというのは大洋島のあれですから、ハワイにしても、小笠原にしても同じように高いわけで、 それ以外に小笠原が独自だという点はなかなか挙げにくい面があります。
それには、例えばガラパゴスがこれだけ有名になっているというのはダーウィンの研究が大きくて、 そういう意味で小笠原の島嶼を生態系として着目して保全していくということと同時に、研究がもう少し進む。
そのためには保全がきちっとしていないと、今もお話しがあったように、固有種がどんどん絶滅していっているというような現状を看過していては、 なかなか候補にも挙げにくいというようなことに結局つながってくるような感じがしますね。ちょっと意見だけ。
○三浦委員
当然のことながら、固有種が非常に多いということで、私もぜひ小笠原はリコメンドしたいと思っています。
上野先生のご指摘のように、むしろ条件を整えてからということなのですけれども、それですと、往々にして手おくれになるのではないか。
吉田委員がご指摘のように、むしろ指定ということによってプログラムをつくり、それと同時に、 研究費等もそういう形容詞がつくと通りやすいという現状もなきにしもあらずということで、むしろ強くここは 、今、遺産に指定するということが緊急に重要だと思います。
○座長
そういう完全性をどう補強していくかということで、学術的にそれだけ価値が高いのなら、 これを登録する担保は一体何かというのは、 むしろ次回に検討させていただいた方がいいのではないかと思います。
生物相から見た価値は非常に高いというのが今のご意見だと思うのですけれども。
よろしいでしょうか、時計を見ながら、次に進めさせていただきます。
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