Part2-8 甚六物語3

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465 :甚六物語第三夜 :2006/08/20(日) 12:20:07 ID:m4Q5T1O2
「…ん〜…」

夕方になっても強い日差しの中、甚六は首に架けたタオルで汗を拭った。
今日一日の労働の証たる薄汚れた作業着に身を包み、赤銅色の引き締まった肩を落とし、甚六はため息混じりにショーウインドーの中を見つめた。

「…高いなぁ…」

ショーウインドーの中にたたずむ緑の04年式ZX−10Rは、中古とはいえ馴らし終えた程度の距離の為、軽く3桁を超えるプライスカードを掲げていた。

「動画見てコレが一番速そうかと思ったけど…予想異常に高いなぁ…」

首都高でGSX−Rを失い一週間。
昨夜某巨大掲示板サイトのいつもの珍走撲滅スレに相談した際、バイク板の動画スレに誘導してもらい、
10Rで何とかスカイラインとかいう峠で撮影した神動画を見て、
うはwwwwwwwwキタコレwwwwwwwwwwと思い早速見に来たのだが、如何せん基準がGSX−R(しかも浜の見立てによると程度極下車両)の為、甚六には10Rが天文学的数字に見えた。

「ハーレーならまだしも、国産中古車でこんなするなんて…ガチャ○ンにしか見えないし…ボッタクリ店なのかなぁ?」

その時、ベストの胸ポケットに入れておいた携帯が、恥ずかしげもなく美少女恋愛ゲームのテーマソングを高らかに歌い上げた。


491 :甚六物語第三夜 :2006/08/24(木) 16:51:51 ID:M6B1PboO
携帯を開き画面を見ると、浜の名前が表示されていた。

ピッ

「はい伊佐坂です。」
『お〜甚六君。仕事終わったかい。』
「こんにちは。終わりましたよ。」
『そうか。何か用事有る?今から駅前に来てほしいんだけど…』
「大丈夫ですよ。じゃあ十分位でいきますね。」

甚六は電話を切ると、ちらりと10Rを見た。
店内ではいつの間にか甚六と同世代の青年が、10Rにまたがりながら店員と話をしていた。
その様子を見ながら、甚六はため息をつきつつ駅に向かって歩き始めた。


492 :甚六物語第三夜 :2006/08/24(木) 16:52:47 ID:M6B1PboO
「あっつ〜…」

梅雨明けしたとはいえまだ湿気は多く、太陽は甚六の体から容赦無く水分を搾り取った。
そんな中、浜はたいして汗もかかず駅前に立っていた。

「こんにちは、お待たせしました。」
「おっ、甚六君。悪いねわざわざ」

浜は片手を上げつつ甚六を労うと、共に歩き始めた。

(…あれ?怪我でもしたのかな?)

浜の後ろに着いて歩く甚六は、浜が左足をやや引きずる様に歩いているのに気が付いた。
聞いてみようかと思ったが何となく聞きそびれている間に、二人は駅裏の入り組んだ古い住宅が立ち並ぶ一角に辿り着いた。
その長屋の様な建物の中で、一軒だけ全面ガラス戸の商店の様な家の前で立ち止まると、浜はガタピシと音を立てながらアルミのガラス戸を引いた。


493 :甚六物語第三夜 :2006/08/24(木) 16:53:51 ID:M6B1PboO
「おい〜ッス。」

浜は声をかけながら中に入る。
甚六も遠慮がちにそれに続いた。
ツンとオイルとガソリンの匂いが甚六の鼻腔を刺激する。

(…バイク屋?)
薄暗い室内を見渡すと、そこかしこにバイクや甚六の胸位の高さの工具棚、オイルの缶などが整頓されて置いてあった。

「なんでぇ浜か…」

奥の居間から、60位の見るからに頑固そうな老人が、浜と甚六を睨み付けていた。

「頼んでいたの入っていますか?」

浜はその視線を受け流しながら尋ねた。

「あぁ…おやっさんの頼みじゃ嫌とは言えねぇからな…その小僧が例の?」

老人はパイプ椅子に腰掛け、岩の様な手で煙草に火を点けると、ジロリと甚六を見上げた。

「あっ…は、初めまして!い、伊佐坂甚六です!」

甚六は直立不動の態勢で挨拶をすると、慌てて頭を下げた。



501 :甚六物語第三夜 :2006/08/25(金) 13:24:21 ID:9QBT56Ap
「あのハナタレ小僧が立派になったもんだ。」
「えっ?」

甚六が驚いて顔を上げる。

「お前さんがまだオシメも取れてない様な頃、難物がよくここに連れてきてたもんだ。
お前さんは悪戯好きでなぁ…俺ぁ何発ひっぱたいたか憶えてねぇや」

老人はカラカラと笑ったが、甚六は何故かその笑い声に淋しさや悲しさに似た気持ちを感じた。

「…まぁつまんねぇ昔話さ。…さて。」

老人は勢いを付けて立ち上がると、店の入り口付近のカバーのかかった二台のバイクに近寄った。

バサッ。

カバーを捲ると、そこには日の光を跳ね返す二台のトリコロールのホンダFTR250が鎮座していた。


502 :甚六物語第三夜 :2006/08/25(金) 13:26:23 ID:9QBT56Ap
「FTRか…」

浜が小さく呟く。

「軽くてコントロールしやすくてダートラ出来る。おやっさんの注文通りだろ?」

老人は浜に向かってニヤリと笑った。
浜はしゃがみこみ暫らく車体のチェックをしていたが、小さく頷くとキーを抜き取り甚六に放り投げた。

「甚六君、暫らくはコイツが君の愛車だよ。」
「え?」

甚六はキーをキャッチすると、浜の意外な言葉に目を丸くした。

「え?だってコレ250ですよね?こんなんじゃあの黒いライダーに追い付けるはずは…」

いきなり浜が甚六の胸ぐらを絞り上げる。

「お前がSABUとタメ張ろうなんざ100年早ぇんだよ。二月だ。二月で徹底的に鍛え上げてやる。辞めるなら今の内だぞ?」

浜は至近距離で甚六の目を真っすぐ見つめた。
甚六はつい目をふせてしまったが、一瞬の後、浜の目を真っすぐ睨み返した。

「…やります。やらせて下さい…!」

甚六の言葉を聞くと、浜は破顔し手を離した。

「じゃあまず最初に私から教える事…必ず守ってほしい約束事…」

甚六は浜の次の言葉を待った。

「バイク乗りは絶対バイクで死んじゃいけない。必ず無事に帰宅する事だ。」


503 :甚六物語第三夜 :2006/08/25(金) 13:28:03 ID:9QBT56Ap
浜は言葉を続けた。

「いいかい。もし君がバイクで死んだら、君にバイクを許可した伊佐坂さん、家族、友人、バイク仲間にバイク屋…
皆が君にバイクを許可しなかったら…楽しさを教えなかったら…売らなかったら…そう後悔し続けて生きていかなきゃならない。」

浜は一旦言葉を切った。

「私達には心配してくれる人達が、帰らなきゃいけない場所がある…
いざとなったらアクセルを緩める事も大事だよ。それだけは忘れないで。」

浜は言い終わると甚六にいつもの笑顔でニッコリ微笑んだ。

ブッ!

その音に振り返る二人。
老人が腹を抱えて笑いを堪えていた。

「浜ぁ…仲間内一の事故率を誇ったボンクラが偉くなったなぁ。今の、20年前に俺がお前に言った事そのまんまじゃねーか。」

甚六が浜を振り返ると、浜は顔を真っ赤にして俯きつつボソボソと言った。

「バラすなよ…カッコつかねーじゃねーか…だからここに連れてくるの嫌だったんだ…orz」


507 :甚六物語第三夜 :2006/08/25(金) 19:59:43 ID:9QBT56Ap
一旦帰宅し、ヘルメットとグローブを持ってきた甚六を、浜と老人、FTRが店先で出迎えた。
甚六がセルボタンを押すと一発でエンジンがかかり、FTRはタカタカタカ…と10年以上前の車両とは思えない、安定したアイドリングを見せた。

「おぅ甚六。」

ヘルメットを被りFTRにまたがった甚六に、老人は何かを差し出した。
甚六がそれを受け取り目を落とすと、黄ばんでヨレヨレになった名刺だった。
そこには持ち主同様、何の飾り気も無く『鮫島二輪車商会 代表 鮫島小鉄』と住所、電話番号が書かれていた。

「今は単車屋やっちゃいねぇが、オメェなら24時間いつでも見てやる。何かあったらすぐ連絡しな。」
「え?何?大将整備に自信無いの?」

ゴッ!

浜の頭に容赦無く鮫島の鉄拳が振り落とされた。
鮫島の前ではいつもと違い、高校生の様におちゃらける浜と、分かりやすい頑固親父の鮫島のやり取りを甚六はひとしきり笑った後、FTRのギアを一速に入れた。

「甚六君、また連絡するから、週末までにコイツに慣れといてね。」

頭を擦りながら浜が言うと甚六は頷き、鮫島に丁重に礼を言ってから走りだした。


508 :甚六物語第三夜 :2006/08/25(金) 20:07:22 ID:9QBT56Ap
「おい甚六。起きなさい。」

目覚まし時計のベルを止めた後、今日は土曜日でバイトが休みなのを思い出し、微睡みを楽しんでいた甚六を、父 難物が起こした。

「何…?父さん…今日バイト休みだよ…」

また寝ようとする甚六の布団を剥ぎ取り、難物はため息混じりに言った。

「浜さんからもう着いたって連絡あったぞ。父さん先に行くからな。」
「…?…しまった!?」

甚六は慌ててベッドから飛び出した。
素早く身仕度を済ませFTRに飛び乗った。


「甚六君こっちこっち!」

大急ぎで待ち合わせ場所の駅前まで来た甚六を、浜が手を振り招いた。

「おはようございます!遅くなってすみません!」

甚六はヘルメットを脱ぐと、先に到着していた浜、波平、難物に頭を下げた。

「いやいや、大して待ってないから気にしないで。さ、行こうか。」

浜と波平が脇に止めたワンボックス車のリアゲートを開けると、先客のFTRの隣に甚六のFTRを積んだ。

「甚六、今の内に食べておきなさい。」

難物は甚六にコンビニ袋を手渡した。
中にはおにぎりが数個とお茶のペットボトルが入っていた。


509 :甚六物語第三夜 :2006/08/25(金) 20:08:50 ID:9QBT56Ap
「どうだい甚六君。調子は?」

高速道路をひた走るランエボXを軽やかに運転する波平が、助手席でおにぎりを食べている甚六に前を走るワンボックスのテールを見たまま声をかけた。

「あ。昨日は早く寝たから、バイトの疲れはすっかり取れました。」
「そうか。若いっていいねぇ。」

とりとめのない会話。
フルオープンの窓から入ってくる風。
車内に邪魔にならない程度の音量で流れるサザンオールスターズのナンバー。
全てが心地好く、おにぎりを食べ終えた甚六はあっさり目蓋の重さに負け眠りに落ちていった…



589 :甚六物語第三夜 :2006/09/02(土) 11:11:08 ID:wC5iP0K4
深夜24時。ビッグサイト。
海風が男の頬を撫でる。
男は煙草の煙を吐きながら、目の前に広がる道路をぼんやり眺めていた。

「先輩、わざわざすんません!」
「おぅ、気にすんな。」

ニキビ面の少年、満珍狼のケンちゃんが、トウモロコシの様な髪型をし、深夜なのにサングラスをかけた男に頭を下げた。

彼は関東最凶、最大といわれた珍走団、『金色夜叉』の三代目頭で、最速、闇と踊る『シャドウダンサー』と呼ばれた男だったが、
今は後輩に頭を譲り、自分は珍古會『闘狂土曜會』に所属する、24歳妻帯者で二児の父、乙女座の配管工とて日々頑張っている男である。

「ヤツは…『族狩り』はまだか?」
「まだッス。もしかしたら山田先輩にビビッて逃げたんじゃないッスか?!」

ケンちゃんがヘラヘラと笑うのを見て、山田はうんざりした。
(族狩りは俺の事知らないのに、何でビビルんだよ…これだから最近の族は…)
山田は数年前までその『最近の族』で、あの頃の人に注目される快感が忘れられず珍古會をやってる自分を棚に上げてケンちゃんを見下したのはさておき、
ケンちゃんの携帯が鳴り響いた。

《きたぞー!族狩りだー!》
電話の向こうでピザ男が叫んだ。



599 :甚六物語第三夜 :2006/09/04(月) 13:21:41 ID:xx2rlwE3
「先輩!先輩なら余裕でブッチッスよ!」

山田はバイクにまたがりながら言った。

「小僧…“誰”に物言ってやがる…“俺”と“ゼッツー”ぁ“関東最速”だぁ…」

キョカカカカッ!
ズッ…ズコォ!

山田はセルボタンを押し込みエンジンを始動させ、半ヘルを被るとギアを一速に叩きこんだ。

遠くから数台のバイク、車を先導する様にこちらに迫る、バイクのヘッドライトが見えた。

「アレか…とっ捕まえて5秒で“挽肉”にしてやんよぅ?!」

山田は歩道からゆっくりバイクを車道に出すと、直菅サウンドを響かせながらフル加速をした。

「さぁ遊ぼうぜ“僕”ゥ?!」



679 :甚六物語第三夜 :2006/09/08(金) 12:03:43 ID:nVJe/hJY
山田は極端に絞ったハンドルに体を預けるように伏せ、アクセルを目一杯捻った。
だが速度差の所為か、背後から近寄る甲高い2ストサウンドはあっという間に山田の背後に辿り着いた。

左→右のS字コーナーが眼前に迫ると、山田を照らしていた背後のヘッドライトが左に寄っていく。

「甘ぇんだよ!“僕ゥ”?!」

ギャババババ!
山田は無理矢理車体を抉り、リヤタイヤを鳴かせながら左にバンクし、体全体で族狩りの進路を塞いだ。

「なにぃ?!」

山田は驚愕した。
自分の後ろに居た筈の族狩りが、何時の間にか右から抜いていったのだ。
そのまま族狩りは白煙をテールランプで照らしながら素早く右へ切り返した。
山田もそれに続く。
だが山田は知らなかった。

族狩りのマシンは、初期型RGV−γをベースにアプリリアRS250エンジンにγ用SPキット等を入れた、ほぼレース仕様のスペシャルマシンだった事を。
そして、先輩に売ってもらった自分のフルチューン750RSが、実はほぼノーマルのZ650ZU仕様だった事を。

基本が出来ておらず、かなり荒削りだが山田は才能に溢れ、口だけではなく確かに珍の中では関東最速だった。
だがバイクの基本スペックの差、そしてマイナス方向に働くカスタムの所為で山田は一瞬で10メートル以上差をつけられてしまった。


784 :甚六物語第三夜 :2006/09/25(月) 18:39:11 ID:s77j2OBt
鮫島は温い海風を浴びながら、白いバンによりかかり煙草の煙を揺らしていた。
甲高い排気音が聞こえたのでそちらに目をやると、
エンジンを切ったガンマが惰性でスルスルと鮫島の前に滑り込んできた。

ガンマのライダー…甚六はヘルメットを脱ぐと、深呼吸を一つした。
汗まみれの顔には疲労の色が濃く浮き出ていた。

「どうだった?」
「すみません…ギアチェンジ失敗して、二回7000回転割りました…」

肩を落としながら甚六はガンマのタコメーターを未練がましく見つめた。
鮫島の言い付けで7000回転以下を使わない様に言われていたので、
甚六はタコメーターの7000回転以下は目印としてビニールテープで目隠しをしていた。

「ほれさっさと降りろ。最初に比べりゃ上達したもんだ。気にすんな。」
「すみません…」

甚六が降りると鮫島は手早くガンマをバンに積みつつ甚六に目をやった。

(すっかり自信無くしちまって…)

オヤジ軍団とのバトル、その後の特訓により己の未熟さを悟った甚六は、すっかり元の自信を持てない気弱な青年に逆戻りしていた。
先程山田を華麗にパスしたライダーと同一人物などと、誰も信じないいだろう。

「オラ帰るぞ」
「はい…」

二人を乗せたバンは薄汚れた体を揺すりながら、黒煙を吐きつつ走り出した。


785 :甚六物語第三夜 :2006/09/25(月) 18:40:48 ID:s77j2OBt
自室に戻った甚六は、ライディングジャケットを脱ぎ捨てるとPCの電源を入れた。
ウインドウズの青い起動画面が、甚六の疲労した目を刺激する。

いつもの様に某巨大掲示板バイク板を開くと、適当にいくつかのスレッドに目を通す。

バカスクを叩くスレがある。
国産アメリカン乗りとハーレー乗りが罵り合っているスレがある。
珍走を叩くスレがある。

その掲示板には騙し、罵り合い、気に入らなければ荒らす不毛な時が流れていた。

(僕は一体何をしているのだろう…?)

ここの所ずっとあった胸のモヤモヤが、突然虚無感となり甚六を襲った。


786 :甚六物語第三夜 :2006/09/25(月) 18:47:34 ID:s77j2OBt
甚六の体にさらに疲労がのしかかる。
皆が協力してくれるのはありがたい。
けど周りが甚六を黒いライダーに勝たせる為にどんどん加速し、
甚六はただ置いていかれまいと必死になってついていっただけだ。
結果甚六は本人が思っているより速くなった。
だが…

「僕は何でこんなに必死になってるんだろう…?」

甚六は走る目的を失っていた。

ただ自由になりたかった。
それが何時の間にか首都高最速とのバトルにまで発展してしまった。

映画の主人公の乗るハーレーは、まさに自由の象徴だった。
だが実際心惹かれたのは黒いライダーだった。
甚六はいくら考えてもその理由が分からなかった…




796 :甚六物語第三夜 :2006/09/28(木) 16:35:59 ID:NCSf/F+P
浜はある自動車修理工場の前に立っていた。
隣にはキン…キン…と音を立てているV-MAXが、まだ勢いのある太陽の光を静かに跳ね返している。

看板を外されたドアを開け、埃っぽい薄暗い室内の壁をまさぐり蛍光灯のスイッチを入れる。

ジジ…と音を立て蛍光灯が二、三度瞬くと、室内にあった四つの大きな物体を照らした。
手前三つがナンバーズの車。
一番奥にブルーシートを掛けられた車があった。

浜はその車の前に立ち、勢い良くブルーシートを剥ぎ取った。

純白のR32…だった物。

フロントが完全に潰れライトやバンパーは無く、右前輪が千切れ、素人目にめ全体が歪み、長さは通常の四分の三程度に圧縮されていた。
窓の無いドアを開けると、砕けたフロントウィンドウの飛び散った車内が目に飛び込んでくる。
ペダル付近の血溜りの後を見ると、浜の足に強烈な痛みが走り、浜はその場に膝を着いた。

「SABU…待っていろ…もうすぐだ…」




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